長編ドキュメンタリー映画「健さん」

故郷のような人。日本が生んだ稀代の映画俳優、高倉健の魂。

長編ドキュメンタリー映画「健さん」

8月20日(土)全国公開!

日本が生んだ稀代の映画俳優 高倉健。 国内外20人以上の証言により、 人間・高倉健の美学に迫る、初のドキュメンタリー映画。

予告動画

作品情報

逢いに行きましょう。日本の男にー

2014年11月10日、日本映画のひとつの時代が幕を下ろした。“最後の映画スター”高倉健、逝く――1960年代のプログラム・ピクチャー全盛期に任侠映画のブームを牽引し、映画館に詰めかけた観客を熱狂させ、主題歌を合唱させ、時には男泣きさせた。スクリーンから発せられる圧倒的な存在感にふれた観客は親しみと敬意を込めて、こう呼びかけた――「健さん!」。しかし我々は“健さん”を本当に知っているのだろうか?

長編ドキュメンタリー映画「健さん」作品情報

あなたは本当の健さんを
知っているのだろうかー

生前に限られたインタビューしか受けなかったこの不世出のスターの素顔は、わずかな情報の中でしか明らかにされていない。彼は何を考え、どう行動し、何を成し遂げてきたのか?『健さん』はそんな疑問への答えを提示した初のドキュメンタリー映画である。監督はニューヨークを拠点とし、写真家としても活躍する日比遊一。マイケル・ダグラス、マーティン・スコセッシ、ジョン・ウーといった海外の名優、名匠のインタビューからは、映画、そして日本の美学を紐解き、日本映画の黄金期を彩り、今日もなお活躍し続けるクリエイター陣の証言からは、高倉健の輝かしいキャリアとともに、古き良き日本映画の歴史をも辿っていく。「漫然と生きる男ではなく、一生懸命な男を演じたい」「どんなに大声を出しても、伝わらないものは伝わらない。むしろ言葉が少ないから伝わるものもある」―
高倉健の人生哲学は、今もなお、我々の心を熱くさせてやまない。さあ、逢いに行きましょう、日本の男に。

長編ドキュメンタリー映画「健さん」作品情報

漫然と生きる男ではなく、一生懸命な男を演じたい。

―高倉健

出演者

マイケル・ダグラス

マイケル・ダグラス

1944年、アメリカ・ニュージャージー州生まれ。69年から俳優として活動を始め、製作を務めた『カッコーの巣の上で』(75)は作品賞含めアカデミー賞5部門、『ウォール街』(87)でアカデミー賞主演男優賞を受賞。『ブラック・レイン』(89)で高倉健と共演した。その後も『氷の微笑』(92)や『トラフィック』(00)など出演作は多数にのぼり、16年にはセザール賞で名誉賞を受賞した。

マーティン・スコセッシ

マーティン・スコセッシ

1942年アメリカ・ニューヨーク生まれ。72年『明日に処刑を…』で商業映画監督デビュー。76年『タクシードライバー』でカンヌ映画祭パルムドールを受賞。その後『レイジング・ブル』(80)、『グッドフェローズ』(90)など勢力的に作品を生み出し、『ディパーテッド』(06)でアカデミー作品賞、監督賞を受賞する。最新作に、遠藤周作の原作小説『沈黙』の映画化である『Silence』がある。

ジョン・ウー

ジョン・ウー

1946年中国生まれ。『男たちの挽歌』(86)シリーズなどで評価され、ハリウッドに渡り、『M:I-2』(00)、『レッド・クリフ part I/part II』(08/09)などアクション大作を中心にメガホンをとる。暴力的かつ華麗な独特の映像美から「バイオレンスの詩人」の異名を持つ。10年にはヴェネツィア国際映画祭栄誉金獅子賞を受賞。西村寿行の原作『君よ憤怒の河を渉れ』の再映画化である香港・中国合作『追捕 MANHUNT』(日本語タイトル未定)を監督することが決まっている。

ポール・シュレイダー

ポール・シュレイダー

1946年、アメリカ・ミシガン州出身の脚本家、映画監督。映画評論家として活動後、『ザ・ヤクザ』(74)の脚本で注目されデビュー。以後『タクシードライバー』(76)、『レイジング・ブル』(80)などの脚本を担当する傍ら、『アメリカン・ジゴロ』(80)などでは自らメガホンをとる。小津安二郎や三島由紀夫などに影響を受けるなど、大の親日家としても知られる。

ヤン・デ・ボン

ヤン・デ・ボン

1943年オランダ生まれ。『ダイ・ハード』(88)、『ブラック・レイン』(89)などの撮影監督を務め、『スピード』(94)で監督デビューを果たす。その後『スピード2』(97)、『ホーンティング』(99)などを監督。現在はプロデュース業などに活動の場を移しつつある。

ユ・オソン

ユ・オソン

1966年韓国生まれ。92年、演劇『血筋』で俳優デビュー。94年『私は望む、私に禁じれたことを』で映画初出演を果たし、演劇出身の実力派として、主演から助演まで、様々な役どころで多くの作品に出演。日本では『友へ チング』(01)のヤクザ役で、一躍有名になる。14年の続編『チング 永遠の絆』にも、同役で続投した。

降旗 康男

降旗 康男

1934年長野県生まれ。57年、東映に入社。東京撮影所で助監督からスタートし、66年『非行少女ヨーコ』で監督デビュー。高倉健主演の『新・網走番外地』シリーズなどを監督し、74年に東映を退社後は『冬の華』(78)、『駅/STATION』(81)など倉本聰、高倉健とタックを組む。高倉健主演『鉄道員(ぽっぽや)』(99)で日本アカデミー賞の最優秀監督賞と最優秀脚本賞(岩間芳樹と共同)を受賞。岡田准一主演『追憶』を制作中。

澤島 忠

澤島 忠

1926年滋賀県生まれ。1948年野淵昶監督が主宰する劇団「エランヴィタール」に参加し、演出助手となる。50年東横映画(現・東映)助監督部に入社し、57年に『忍術御前試合』で監督デビュー。『人生劇場 飛車角』(63)、『新選組』(69)などハイペースに作品を生み出し、71年にコマ・プロダクションを設立するも、77年に監督を廃業。以降は舞台演出家として時代劇を中心に活躍する。

山田 洋次

山田 洋次

1931年大阪府生まれ。54年松竹入社。77年、高倉健主演『幸福の黄色いハンカチ』は第1回日本アカデミー賞最優秀賞6部門を受賞。『男はつらいよ』シリーズ(69-95)は、48作にもおよぶ。その他代表作に『学校』シリーズ(93-00)、藤沢周平原作の時代劇『たそがれ清兵衛』(02)、『隠し剣 鬼の爪』(04)、『武士の一分』(06)などがある。また、戦後70年となる15年には、長崎を舞台にした『母と暮せば』を公開。最新作は『家族はつらいよ』(16)。08年、日本芸術院会員となる。12年、文化勲章受章。

梅宮 辰夫

梅宮 辰夫

1938年生まれ。58年、東映ニューフェイス5期生として、東映に入社。翌年映画『少年探偵団 敵は原子潜航挺』シリーズで主演デビュー。二枚目スターとして活躍するが、73年以降は『仁義なき戦い』をはじめ東映実録路線で独特の存在感を発揮する。料理家として「梅宮辰夫の漬物本舗」なども出店。その他、主な出演作に『不良番長』シリーズ(68-72)、『帝王』シリーズ(70-72)などがある。

八名 信夫

八名 信夫

1935年岡山県生まれ。56年~58年はプロ野球選手として活躍するが、引退して東映専属の映画俳優となる。83年、悪役商会を結成し『昭和残侠伝』、『網走番外地』シリーズなどに出演。来年で俳優人生60年を迎える。現在、映画『おやじの釜めしと編みかけのセーター』という人情映画を作・監督中で、全国の無料上映を企画している。

中野 良子

中野 良子

1950年愛知県生まれ。70年に女優としてデビュー。清純派女優として活躍するが、『君よ憤怒の河を渉れ』(76)で、それまでのイメージを覆す体当たり演技で注目される。同作品は中国でも上映され、95年には河北省・秦皇島に「秦皇島中野良子小学校」を建てる。現在は、女優活動と共にWILL国際文化交流センターの代表として、国際貢献活動にも注力。講演会などの講師としても精力的に活動している。

中井 貴一(語り)

1961年東京都生まれ。81年、東宝の『連合艦隊』でデビュー。日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞する。ドラマ『ふぞろいの林檎たち』シリーズ(83~97)で人気を博し、映画では『ビルマの竪琴』(85)、『四十七人の刺客』(94/日本アカデミー賞最優秀助演男優賞)、『壬生義士伝』(03/日本アカデミー賞最優秀主演男優賞)などに出演。近年も『最後から二番目の恋』に主演するなど、ドラマ、映画の枠にとらわれず広く活躍している。

スタッフ

監督;日比遊一

監督 日比遊一

愛知県名古屋市出身。ニューヨーク在住。作品は世界各国の著名なコレクションに収蔵されている。米NYタイムズ紙は日比の作品を「夜景に映し出されたその“沈黙と孤独”は、瞑想によって達することの出来たエクスタシーのようなものを感じさせてくれる」と称した。映画監督としては、写真家で映像作家でもあるロバート・フランクのドキュメンタリー『A Weekend with Mr. Frank』を製作(編集、製作指揮は『未来を写した子どもたち』で2005年、米アカデミー賞ベスト・ドキュメンタリー部門を受賞したロス・カフマンが担当)。2013年、長編プロジェクト『ROAD KILL』がカンヌ映画祭<アトリエ部門>にアメリカ代表として招待された。2014年、長編映画『An Ornament of Faith』が完成。IFP(*)は本作を、2014年デビュー作の中のベスト25に選んだ。現在、演技の常識を変えたとされたスタニスラフスキーの “メソッド” の正体を探るドキュメンタリー『Method or Madness?』を撮影中。NYアクターズ・スタジオの初代メンバーでありスタジオと深い関わりを持つ俳優イーライ・ウォラック、映画監督のアーサー・ペンなどが既に出演している。 ※IFP(The Independent Filmmaker Project)アメリカのインディペンデント映画をサポートする団体

プロデューサー 増田悟司

1962年山口県生まれ。株式会社ユニークブレインズ取締役。映画プロデューサー、及び、キャスティングを中心に国内外の作品で活動。主な作品に『パッチギ!LOVE&PEACE』(07)、『バケモノの子』(15)、『ヒーローショー』(10)、『太秦ライムライト』(14)など。

音楽 岩代太郎

作曲家。サウンドトラックを中心とした幅広いジャンルで活躍。映画『血と骨』(04)、『春の雪』(05)、『蝉しぐれ』(05)、『利休にたずねよ』(13)で日本アカデミー賞優秀音楽賞受賞。『闇の子供たち』(08)で毎日映画コンクール賞受賞。またジョン・ウー監督作品『レッド・クリフ PartI』で香港金像奨最優秀音楽賞を受賞。その他、ジョン・ウー監督と再びタッグを組んだ『The Crossing/太平輪』、ポン・ジュノ監督『殺人の追憶』(03)も手掛ける。

メインタイトル 中野北溟(ほくめい)

1923年生まれ。生まれ故郷の北海道で作家活動を続けている。日本を代表する書家であり、国内外で高い評価を受ける。主な受賞歴は、毎日芸術賞受賞、毎日書道展大賞受賞、日展特選(2回)など。2009年に北海道立近代美術館にて個展開催し、同年今までの功績を評価され旭日小綬章を受章している。高倉健は最も好きな書家として、中野氏の名前を挙げている。

コメント

関係者の誰が本当の事を語り、誰が嘘をついているのか?

- スタジオジブリ プロデューサー 鈴木 敏夫

「何をしたのかよりも何のためにそれをしたか」
健さんの魂の肉声が本当に大事な「人間の本質」を教えてくれる。

- 映画プロデューサー 奥山 和由

魂が揺さぶられた。心の中で何度も「健さん」と叫んだ。
もっと見ていたかった。もっといろんな人の話を聞きたかった。
日本映画は彼なくしては語れない。彼自身も映画の力を信じていた。
三船さん、萬屋さん、勝さん然り。
そんな時代に想いを馳せて、感傷的になるのも年のせいだけではないと思う。

- セディックインターナショナル 映画プロデューサー 中沢 敏明

国境を越えた人たちが「健さん」と呼びかける時、誰もが優しい表情となっていた。
きっと僕がこのドキュメンタリーを見ている間も同じ顔をしていただろう。

- ドキュメンタリー監督 松江 哲明

もう10分短くしただろうか・・いやいや12時間の大作にしてしまったかも、私ならそう逡巡しただろう。
底知れぬ高徳の巨人に挑んだ勇気に溢れる作品だ「健さん」は。

- 映画プロデューサー/名古屋学芸大学・教授 仙頭 武則

高倉健という人物ほど、ドキュメンタリーに向いていない人物はいない。
この映画も高倉健の何百分の1すら切り取れてはいないだろう。
だが、その何百分の1の欠片ですら満点の星の如く輝いて見えるのは、
高倉健そのものが星どころか宇宙のような存在だったからだろう。

- 映像ディレクター 大根 仁

劇場情報

「健さん」の上映情報は、こちらをご参照ください。

※「」のある劇場は前売券を発売している劇場です。